水中糸


 30年ほど昔、Yasuの親父が初めて金属糸を買ってきたときは、糸というより針金の細いものと言った方がよかったくらい太いものでした。ねじれればそこからプツリと切れてしまい、とても使いものにならないようなことを言っていた記憶が残っています。そんな親父は、昔のことがあるのか金属糸恐怖症で、時々使っていますが今一威力を発揮しきっていません。
 あれから技術は進み、今では多少きんくしただけでは切れない丈夫な糸になりました。通常、Yasuは背針をつけて深瀬のたるみを狙うことが多いため、やや太めの仕掛けを使っています。こういうとき2、3ランク細い糸が使えるという点で金属糸はありがたい存在です。また、単価は高いですが、よほどのトラブルがない限り1本で5〜7回くらいの釣行は保ちます(もちろん手持ち糸は付け替えますが)ので、比較的経済的です。
 ここに紹介する結線方法は、平成3年頃に中日スポーツの釣りの欄で紹介されていたものを、Yasuが多少アレンジ(と言っても、結果的に変更できた点はチワワの輪の数くらいですが・・・)して作ったものです。また、この作り方は天井糸を使用することを前提としています。
 ちなみに、Chikaは淵や瀞場を攻めるため、金属糸は囮のお荷物になるだけ。通常、0.3号のナイロン糸を使っています。


材料

左上
 金属糸(中間糸用)
右上
 ナイロン糸(手持ち・天糸用)

 目印3色
・中間糸用の金属糸は今まではがまかつの”Gライン”を使っていましたが、最近はDAIWAの”メタセンサー”か”ヴァリヴァス”を愛用しています。
・手持ち糸用のナイロン糸は、やはり信用が第一。細くて切れにくいDAIWAの”スペクトロンAYU”などの一流メーカーのものを使用しています。
・天糸は少しぐらい太くても大丈夫。安くて丈夫な山十の糸か”スペクトロンAYU”を使用しています。
・目印は3色(赤色、緑色、オレンジ色)
この他に、アロンアルファー(接着剤)

 現在、金属糸の主流は1スプール12mが標準ですので、お金のないYasuは3mの4本取りにしています。お金に余裕のある場合は4mの3本取りでもいいと思います。
 手持ち糸は25cmにして、釣行中に石でこすれた場合や、パーマが入った場合は手持ち糸だけ交換します。
 天糸は60cmにして、号数は手持ち糸と違って、流水抵抗をあまり気にしなくても良いのでやや太めのものを使っています。


Yasuの天糸、中間糸、手持ち糸結線号数適応表

天  糸
ナイロン糸
結 線 部
チチワ
中 間 糸
金属糸
結 線 部
チチワ
手持ち糸
ナイロン糸
竿 サイズ
(瀬)
サイズ
(瀞)
1.0号 一重 0.3号 一重 0.8〜1.0号 超硬〜硬調 25cm〜 28cm〜
0.8号 一重 0.2号 一重 0.5〜0.6号 硬調 〜25cm 〜28cm
0.6号 一重 0.1〜0.15号 一〜二重 0.3〜0.5号 硬調〜中硬々 〜22cm 〜25cm
0.4号 二重 0.05〜0.07号 一〜二重 0.2〜0.35号 中硬々 〜20cm 〜23cm

*瀞場での28cm〜というのはそれ以上のサイズを釣ったことがないため、推測の値です。


作り方

ナイロン糸のチチワ
 一重の場合
1、ナイロン糸の先端から5〜8cmほどの所で折り返し、先端の輪が小さめ(結び目から先端まで1cm程度)になるように、八の字結びでとめる。

 二重の場合
1、ナイロン糸の先端から10〜15cm程の所で折り返し、更にその中間点で折り返し、先端の輪が小さめ(結び目から先端まで7〜8mm程度)になるように、八の字結びでとめる。

 共通
2、 余分な糸を切り取る。(このとき、必要な方まで切ってしまわないように注意!)

 左図がチワワ完成図

ナイロン糸と金属糸の接続

1、金属糸の先端から3cmのところで折り返し(といっても折り曲げてしまわないように!)左手(以降、右利きの場合)の人差し指と親指で持ち、先程作ったナイロン糸を上に重ね(このときナイロン糸の輪の中に金属糸の折り返しの先端がくるようにします。)、親指の先端でナイロン糸の先端も一緒に押さえます。(左図参照)
2、ナイロン糸のチワワの結び目を下から輪の中に通しそのままナイロン糸の後端まで抜きます(このときナイロン糸を引きすぎて輪が小さくなると2・3回目がやりにくくなります)。これをもう2回繰り返します。(今までやってみて3回が一番少なくて確実です。1・2回だと金属糸が抜けやすいし、4回以上は無駄。)
3、3回通したら、親指からナイロン糸だけを離し、右手でナイロン糸の結び目を持って、ゆっくりと引いて絞めます。(このときあまり強く引きすぎないようにして下さい。)
4、金属糸が二重になっている部分をきちんと重ねて、アロンアルファーをつける。つけなくても抜けることはありませんが万全を期して。(この時、ナイロン糸にアロンアルファーがつかないようにして下さい。ナイロン糸のねじれがクッションの役目をしてくれ、接合部の糸切れを解消してくれます。)
*"メタセンサー"は撥水性がよいので、アロンアルファーの着きが悪く、結構剥がれ易いところが欠点ですので5、の作業をして補強します。(下図青矢印部分)。
5、金属糸の端の部分に小さくきったティッシュを巻いてアロンアルファーでとめます。(なくても良いですが、岩にこすれると端からはがれていきますので、手持ち糸だけ交換して何度も使うときはこの作業をした方が無難です。)

目印の付け方

 目印は、金属糸の説明書の縛り方では、糸自体が折れ曲がり癖がついてしまいますので、編み込みをして付けています。編み付けには写真の器具を使っています。

1、 ナイロン糸を接続した道糸の両端を空のスプールに巻いて、上図の編み付け機の両側にセットします。(通常は直接ホールドできるようになっていますが、糸を痛めるのを避けるために糸を直接はめ込みません。)
2、目印を5cm程に切り、三つ編みの要領で7回前後編み込みます。
3、1cm程残して余分な糸を切ります。
4、同じ要領で必要な数だけ編み付けます。(Yasuの場合は3色を上から赤色、緑色、オレンジ色の順に付けます。)


道糸完成品




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