稲荷地内


 ここは、郡上八幡の中心で専用区を3つも抱える鮎釣りのメッカ。国道からよく見渡せるため釣り人が多く、特に平成9年からは八幡ICの完成で釣り人が更に増加し、平日でも良いポイントは竿の放列が見られます。上流の八幡市街付近は河原が広く全体的に緩やかな流れのポイントが中心。下流部の稲荷地内は渓谷の様相を呈し、変化に富んだポイントを楽しむことができます。


国土地理院刊行地図使用許可済(2万5千分の1:郡上八幡)
No. ポイントの解説
@  "五町の瀬"の専用区で、超人気ポイントの1つ。
 上流部は有坂地内のKのポイントから続くポイント。水深が浅く通常の泳がせ釣りの練習場 のようなポイントです。仕掛けは長竿に細糸。立ち込んであまり動かずに広い範囲をさぐります。高水時に狙ってみると面白いかもしれませんが、通常は流れが緩やかで水深もないため、渇水期や土用隠れの時期には避けたいポイントです。
 下流部は"五町の瀬"の中州で、二またに分かれた流れはチャラ瀬となって吉田川出合へと流れ込む。主流は左川になりますが、右川も良いポイントです。右岸の下流部から中州にわたっての釣りになります。
 左川は、河床全体が大きめの玉石が敷き詰まっており、流れも比較的緩やかなため初心者でも安心して釣りができますが、人が多いのでトラブルのないように注意して下さい。やや深めの大石周りは大鮎に期待がもてます。細糸の泳がせ釣りも良いですが、所々押しの強くなっているところもあり、小さな玉を使っての引き釣りか背針で石裏を一つ一つ攻めてもおもしろいと思います。
 右川は、石がやや小型な分型ももう一つといったところですが、数的には申し分ないポイント。細糸の長竿で泳がせて静かに攻めていきます。
A  ”吉田川出合”のポイントで、出合からしばらくは瀞場になっていて、所々砂がかぶっているためポイントを見極めにくい。長竿長手じりで攻めれば何とかなるかもしれません。ただ、家族連れでバーベキューなどをするときは結構いい場所だと思います。下流部はチャラ瀬になっていて、背針をつけて石裏を一つ一つ攻めて拾い釣りしていきます。
B  ”シン淵”の上はAのチャラ瀬から続く荒瀬で、流芯は生半可な仕掛けや囮で勝負ができない。太糸の大玉をつけて元気のいい囮で攻め、かかったら即引き抜くか、一気に下ってたるみへ誘い込む必要があります。初期から大型鮎が竿を絞り込んでくれます。”シン淵”は押しの強い岩盤帯。左岸から攻めますが、元気のいい囮でないとなかなか良いポイントへ届きませんので、減水時に狙いたいポイントです。
C  郡上漁協前の専用区で、引き釣りのポイント。
 上流部は大石や岩盤の深瀬。押しが強く良型が多いので、太仕掛けで攻める。
 中流部は中州で流れが2分されていて、右川が主流。右川は左岸から中州に立ち込むか、足場が悪いですが右岸からの釣りになります。”桃の木淵”からの差し鮎が期待でき、数が望めるポイントです。左川は流れが弱く、渇水期には避けた方が無難ですが、増水後の引き際に攻めてみたいポイントです。
 下流部は”桃の木淵”とその落ち込みで、落ち込みは淵の上流側を取り巻くようにチャラ瀬になっていて、白泡の下を順に探っていく。しかし減水の仕方によっては砂をかぶっているところが多くなるため、状況を見てから攻めた方がいいと思います。淵は足場が悪いですが、右岸の岩盤上から攻められます。
D  上流部は玉石がぎっしりと敷き詰まった平瀬で良岸から狙え、背針か小さな玉をつけて半泳がせ釣りで数が稼げます。
 中流部は段々瀬から絞り込まれた急瀬へ。段々の瀬は一つ一つの石裏を丹念に攻めれば、数・型ともに稼げます。急瀬は岩盤上からの釣りになり足下が悪く、釣りづらいのであまり一般的ではありません。
 下流部はEまで続く瀞場のポイントで、長竿の細糸仕掛けで広範囲を攻めます。左岸から立ち込んでの釣りになります。
E  稲荷橋下の中州のポイントで、中州に渡って釣った方が広い範囲を攻められ有利。
 右川が主川流で、早瀬〜急瀬ポイント。大石の石裏の白波の下を一つ一つ丹念に探り歩くと、好釣果に恵まれます。
 左川は、早瀬から急瀬、瀞場へと変化し、瀬は瀞場にたまった良型鮎がハミ上がるので、早期から型が良い。たるみが少ないため、背針仕掛けでは苦しく、太糸で玉をつけての引き釣りに分がある。瀞場は河床が岩盤や大石の、泳がせ釣りの好ポイント。入川しにくいため、釣り人が少なく、いつも比較的すいているポイントです。
F  Eから続く、中州の下流部のポイントで、特に”大稲”は大型狙いの荒瀬ポイント。
 右川の下流部は瀞場で、底石も多く泳がせ釣りの好ポイント。左川の下流部は急瀬から早瀬のポイントで、たるみが少ないため引き釣り中心に攻めた方がいいと思います。
 ”大稲”は、中州で仕切られていた流れが再び出合、一気に流れ落ちる荒瀬で、大鮎一発狙いのポイント。硬調竿に太仕掛けで大玉をつけて、掛かったら下られる前に一気に引き抜きます。
 ”大稲”の下は深瀬で、超人気ポイント。休みの日にはお隣さんと竿が触れあうほど混雑します。河床は一抱えもある石がゴロゴロとしていて、元気のいい囮なら泳がせでも良いが、小さな玉か背針をつけてやった方が囮の保ちが良い。しかし、石が大きい分根掛かりも多い。両岸から狙えますが、右岸から狙った方が数か多いようです。
G  Fの深瀬から川幅が広がり、瀞〜平瀬のポイント。全体的に泳がせ釣りで広範囲を攻めると数が稼げます。特に”つりがね岩”と呼ばれる大岩の付近では、地元の人がコンスタントに20以上は上げる好ポイントです。この他、稲荷鉄橋すぐ上は川幅一杯の短い瀬があり、この瀬尻付近でも数が稼げます。渇水期には全般的に垢腐れしやすく、避けた方場無難です。
H  通称”弁天”と呼ばれるポイントで、平成9年の護岸工事でこれまでとはずいぶん様子が変わってしまいました。以前は3本に分かれていましたが、今は一本瀬です。
 平瀬から早瀬、平瀬へと変化する。以前は背針をつけて石裏に止めれば良型鮎がガツーン!ときた。尺鮎の実績のあるところで、平瀬は泳がせ釣りで攻めます。高水時には玉をつけての引き釣りで、囮をしっかりと沈めてやります。上の平瀬は岩盤、玉石。早瀬と下の平瀬は玉石がぎっしりと敷き詰まっている。両岸から攻められ、比較的足場の良いポイントです。
I  ”箱坂の瀬”付近は地元の人の人気ポイント。数つりのポイントであるが型の方もまずまず。
 上流部は大石が敷き詰まっており、流芯は水深があるため、しっかりと囮を沈めて攻める。
 中流部は”箱坂の瀬”で幅広の早瀬。石裏の一つ一つを丹念に攻めることができれば数が伸ばせ、下の”箱坂淵”からの差し鮎が期待できます。
 下流部は”箱坂淵”で、左岸から長竿・長手尻で岩盤帯を狙います。
J  上流部は”イカリバの瀬”でその上と下は平瀬。一抱えほどの石が敷き詰まっていて、背針か小さな玉をつけて半泳がせ釣りで攻めます。”イラリバの瀬”は段々の瀬で早瀬〜急瀬。白泡の下には良型が潜み、掛かったら一気に引き抜くかたるみへ引き寄せます。
吉田川
K  吉田側の最下流分で、ここから上流4kmの鶴佐橋までは専用区になっています。郡上八幡市街の入り口で駐車場が少ないのが難点です。
 合流点付近は小規模な淵やせがあり押しが強いが、それより上は流れも緩やかで、泳がせ釣りの好ポイントになっています。特に大石周りには本流が濁流などで状態の悪いときに、良型が期待できます。
L  Kとはやや川相が違って、大きめの玉石が敷き詰まったチャラ瀬。ここも泳がせのポイントで、数の方は出ますが型の方はやや小ぶりです。平水時より高水時の方が釣果に恵まれることが多いようです。




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